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中南米って、どんなところ?中南米に転がるビジネスチャンス探し【入門編】その3:中南米の産業構造

中南米

その3: 中南米の産業構造
** 中南米は発展途上の先進国? **

中南米の地理情報、政治、そして経済指標の概要を紹介してきましたが、今回は、産業構造の概要についてお話します。
中南米は、鉱物資源や農産品などの一次産品を輸出して、工業製品や消費財を先進国から輸入する、いわゆる発展途上地域という理解が、一般的かと思います。しかし、豊かな自然や資源、土地に恵まれている中南米は、アフリカとどのように違うのでしょうか。
尚各国の輸出入品目や相手国、中南米域内でのモノの動きに関しては、今後の項で紹介いたします。

 

1.工業、農林水産業、サービス業の割合

まず、中南米の産業部門の割合は、以下のようになっています。

注)各部門に含まれるもの。
工業: 鉱業、製造業、電気・ガス・水、建設。
サービス業: 卸売り・小売り、修理、宿泊・飲食、運輸・倉庫、通信、旅行代理店、金融、保険、不動産、リース、IT、公的機関、教育、医療、娯楽。


典拠:世界銀行データ

エクアドル、ペルー、チリは、資源開発や農産物の加工により、工業部門の比率が比較的高くなっています。メキシコは、自動車産業を中心とする製造業によるところが大きいでしょう。
尚この部門別割合ですが、工業部門が高ければ先進工業国、というわけではありません。参考までに、世界の地域別の割合をみてみましょう。上述の業種を入れた工業部門の、GDPに対する割合です。いわゆる先進国程その比率は低くなっており、ラテンアメリカ・カリブ地域は、世界平均よりも先進国寄りとなっています。


典拠:世界銀行データ

 

2.製造業の内訳

それでは、工業部門の中の製造業の内訳をみてみましょう。
中南米の主な国の、食品産業、化学産業、繊維産業、機械・自動車産業の、製造業全体に対する割合です。実際にどこでどのような品目の製品が生産されているのかに関しては、次回以降の輸出入に関する項で、ご紹介します。


典拠:世界銀行データ


典拠:世界銀行データ


典拠:世界銀行データ


典拠:世界銀行データ

 

3.農地と森林地

次に、農業についてみてみましょう。
まず各国の、農牧地と森林地の割合は、以下のようになっています。


典拠:世界銀行データ

ブラジルは森林地の割合が大きくなっていますが、これは言うまでもなくアマゾン地帯で、パナマではパナマ運河以外は、殆どジャンブルです。ウルグアイは牧畜国なので牧草地の割合が高く、アルゼンチンは広大な平原(パンパ)が広がっており、森林はアンデス側のごく一部です。コロンビア、エクアドル、チリ、ボリビアは、アンデス山脈沿いに位置するため森林地の割合が高いですが、チリは北部の乾燥地帯(アタカマ砂漠)の割合も高くなっています。

尚チリは林業国、ペルーは漁業国でもあります。各国でどのような農水産物があるかについては、今後の章で紹介していきますが、ここでは穀物の生産についてみてみましょう。

下のグラフは、牧草地を含む農地に占める、穀物栽培面積の割合です。アルゼンチンは小麦の生産量が高いですが、牧畜も盛んなため、牧草地を含めた農地に対する割合は少し低くなっています。


典拠:世界銀行データ

また各国の穀物の収量は、以下の通りです。
収量というのは、ヘクタールあたりの穀物の収穫量ですが、施肥や品種など収量を伸ばす技術が遅れている国がまだ多いと言えます。収量は地球温暖化の影響で低く抑えられていくだろうという報告もあるため、増収技術の改善が必要となります。


典拠:世界銀行データ

 

4.鉱物資源

次に、エネルギー資源の石油を含む、鉱物資源の状況をみてみましょう。

まず石油です。下の石油の埋蔵量の地域別割合では、中南米が20%近くを占めていますが、この大半はベネズエラです。ベネズエラ中央を横断するオリノコ河流域はオリノコベルト地帯と呼ばれ、世界最大の超重質原油が埋蔵されています。重質油のため、生産や輸送にはコストがかかり、現在のベネズエラの経済では採掘できる状態になく、下のグラフのように中南米全体の石油の生産量は少なくなっています。
尚中南米の産油国はベネズエラの他、生産量が多い順に、ブラジル、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、エクアドル、ペルー、そして、ベネズエラのすぐ近くに位置するカリブの小国トリニダードトバゴとなります。ブラジルでは、オフショア(海洋)開発も進んでいます。


典拠: BP Statistical Review of World Energy 2020


典拠: BP Statistical Review of World Energy 2020

石油以外の主な鉱物資源の生産の、世界の中での位置づけは、以下のようになっています。

尚中南米では資源開発は、ベネズエラ(石油)やチリ(銅)は国営公社が行っていますが、その他の国では資源メジャーなど民間の外国籍企業が行っています。政府の収入源は、民間企業が払うロイヤリティになりますが、その収益が適切に採掘地区に還元されなかったり、水銀などによる環境汚染により、資源開発が行われている地方での地元住民との紛争が社会問題となっているところが多くなっています。またチリの銅鉱山は北部の砂漠地帯にあり、鉱山開発や生産プロセスで使用される大量の真水が地元住民向けの生活水を圧迫することが問題視され、海水を利用する淡水化プラントを備えた開発プロジェクトが進んでいます。

① 銅


典拠: U.S. Geological Survey (Mineral Commodity Summaries 2020)

② 亜鉛


典拠: U.S. Geological Survey (Mineral Commodity Summaries 2020)

③ 金


典拠: U.S. Geological Survey (Mineral Commodity Summaries 2020)

④ 銀


典拠: U.S. Geological Survey (Mineral Commodity Summaries 2020)

金や銀は、スペインやポルトガルの植民地時代から採掘されて、ヨーロッパに持ち出されています。本国にたどり着く前にカリブの海賊に襲われて、海に沈んだ金貨や銀貨が、今もカリブで眠っていると言われています。

5. 観光

最後に観光部門を付け加えておきます。
下の表は、各国の外国人観光客の入国数です。
メキシコは観光スポットも多く、欧米からも近い為観光客は多いですが、南米になると、ペルーのマチュピチュやエクアドルのガラパゴス諸島、ブラジルのアマゾン河、イグアスの滝、チリのイースター島、南極に近いフエゴ島などの観光スポットはありますが、北半球からはまだまだ難易度の高い観光地といえます。


典拠:世界銀行データ

少しグラフや数字が多くなってきましたので、次回は数字で説明できない、人種や文化、食べ物などについて、ご紹介します。

 

~コラム~

ベネズエラのダイヤモンド

ベネズエラでダイヤモンドが採れるのは、ご存知でしょうか。
世界のダイヤモンドの主産地はロシアやアフリカ(コンゴ、ボツワナ)ですが、ブラジルにも鉱脈があるようですので、隣国のベネズエラで採れても不思議ではないでしょう。アマゾン河、ラプラタ河に次いで南米で3番目に大きなオリノコ河沿いに、良質のダイヤモンドの鉱床があるようです。
ただ英BBCの記事によると、正式な輸出はベネズエラの為替規制で割に合わない為、採掘から国外持ち出しまで、非正規に密輸で行われているようです。地元労働者の話では、買い付けに来る外国人はイスラエル人とベルギー人が殆どで、会社組織ではなく、携帯電話番号を唯一のコンタクト先とし、地元の採掘労働者から買い付けて、ブラジル経由隣国のガイアナに流しているらしいです。
ダイアモンドが紛争の資金として使われたり密輸されたりするのを防ぐ目的の、キンバリー・プロセスという、ダイヤモンド産出国の国際監視制度がありますが、ダイヤモンドを産出しないイスラエルが世界有数の輸出国となっているところにメスをいれるべきではないかという、英国の専門家もいます。アフリカの内戦や紛争に絡むダイヤモンドは血のダイヤモンドとも呼ばれますが、ダイアモンドには裏黒い世界がからんでいるのではないでしょうか。アフリカの資源を中心として、そういう裏黒い世界の糸を引いているのは、欧州や米国を操っているユダヤ人かもしれません。

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